不二越の本間会長が言った発言はこちら
「富山で生まれて地方の大学へ行った人でも極力採りません。なぜか。閉鎖された考え方が非常に強いです。」
この発言から、不二越の本間会長が考える富山県民の県民性は、
富山県民=閉鎖的
ということです。
果たして、これは本当でしょうか。
検証してみました。
この記事の内容
ネットで言われる富山県民の県民性
- 勤勉
- 堅実
- 家族を大切にする
- 保守的
一言でいえば、「真面目」ということでしょうか。
この真面目さを表すいい例が持ち家率の高さです。
富山県は日本で一番の持ち家率の高さで、その数字は78.35%。
全国で最低の東京の46.6%と比較するとどれくらい高いかよくわかります。
では、なぜ富山の持ち家率が高いのでしょうか。
富山県は江戸時代、富山藩という10万石の小さな藩でした。
頻繁に水害や大雪などの自然災害を受け、財政は常に逼迫していました。
その時に子孫に財産を残すことが出来るように不動産である土地を購入し家を立てるようになったと言われています。
また、この時に勤勉で真面目で節約する風土が出来たとも言われています。
富山県民の平均貯蓄率も全国15位と高い水準です。
富山県は決して平均年収が高いとは言えないので、この数字は目をみはるものです。
富山県民が県外へ出ない理由
富山県民の県外就職率はどうなっているのでしょうか。
富山県の国立大学である富山大学のデータを元に考えみます。
富山大学の学部卒の卒業生の県内就職率は54.2%です。
となりの石川県を加えると54.7%です。
- データ元:富山大学 地域別就職状況(平成28年度)
富山大学の入学者のうち、富山県民の割合は30.6%。
石川県と富山県を合わせると46.6%。
- データ元:富山大学 地域別入学状況(平成29年度)
このデータからみると、県外出身者でも富山県に就職していることがわかります。
富山県は魅力的な県だといえますね。
ちなみに、県外流出が騒がれている今の日本ですが、富山県や石川県などの北陸地方の県外流出の割合は低く抑えられています。
それではなぜ、富山県民が県外に出ないのでしょうか?
次の3つの理由が考えられます。
富山県で裕福な暮らしができる
さきほどの紹介したように、富山県の持ち家率は全国一です。
同じように、家の広さも全国一。
富山県にいれば、大きな持ち家で生活することが出来ます。
一方、東京ではアパートやマンションの小さな家で窮屈な思いをすることになります。
大きな家でノビノビ育った富山県民にとって小さな家は耐えられないのでしょう。
富山県で家を買うため
富山県民は20代で家をたてる人も多くいます。
家を建てると、そこに長く住むことになるので、就職先は必然的に富山県の会社ンになります。
全国転勤がある会社に勤めてしまうと、転勤があった場合は単身赴任を余儀なくされます。
富山県で家をたてるために、富山県に残る県民が多いです。
富山県で仕事があるため
富山県には北陸電力やYKK、インテックなどの数多くの大手企業が進出しています。
富山県は地震も台風などの自然災害のリスクがありません。
また、富山平野という大きな平野があり、北陸新幹線の開通や高速道路の整備による交通網の発達の影響で大きな工場を建てるための好条件が揃い始めているので、全国から富山県内に大きな工場が進出しています。
そのため富山県にいながらにして、大手企業に勤めるチャンスがたくさん出ています。
大半は工場勤務ですが、待遇は地元の中小企業と比較すると好条件です。
わざわざ仕事を求めて都会に出る必要は無いので、富山県民は外に出ることはしません。
富山県民は本当に消極的で閉鎖的か?
富山県民が県外に出ない理由を見てきました。
それでは、県外に出ないからと行って消極的で閉鎖的なのでしょうか?
富山県出身の有名人
- 藤子・F・不二雄:おばけのQ太郎、忍者ハットリくんなど
- 藤子不二雄A:ドラえもん、キテレツ大百科など
- 大谷米太郎:ホテルニューオータニ創業者
- 清水喜助:清水建設創業者
- 安田善次郎:安田財閥創業者
- 田中耕一:ノーベル化学賞
- 柴田理恵:芸能人
- 室井滋:女優
- 野際陽子:女優
富山県にも有名人がたくさんいます。
この中で一番富山県民らしいのは田中耕一さんです。
田中耕一さんは島津製作所に勤務しながら、ノーベル化学賞を受賞し、現役サラリーマンとして初めてのノーベル賞受賞者として話題になりました。
これは富山県民らしい勤勉さが伺えます。
辛抱強さが消極的と誤解される
富山県民はとても勤勉で真面目です。
県内の進学率も高く、学力も高いです。
共働き率も高いし、貯金もしているしっかり者。
見た目は派手ではなく、質素倹約を貫きます。
その結果、真面目でつまらない人と間違った認識をされてしまって消極的と捉えられるのでしょう。
確かに、自分から率先して何かをやるタイプよりも与えられた課題に対して120%で取り組むタイプの方が多い気がします。
実際に転職相談を行った富山県の方もこのタイプが多かったです。
辛抱強いということは消極的ではありません。
まとめ
いかがだったでしょうか。
不二越の本間会長の発言の真意を確かめてみました。
富山県民の勤勉で真面目で辛抱強いところが消極的と感じたのだと思います。
しかし、計画的に家を建てたり貯金をしたりするところなどは、将来をよく考えている証拠。
富山県民は消極的ではなく計画的です。
富山県民を採用するときにはこの県民性を理解して採用するといいですよ不二越さん。
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