石の上にも3年と言われるように、まずは仕事も3年続けなさいとも言われます。
特にコレといった根拠があるわけではありませんが、3年位仕事をしていれば全体を見渡せるようになってきて仕事の面白さがわかってくるということ。
そうとはいえ、新卒で会社に就職して1年以内に退職する人もいます。1年未満で退職するメリットやデメリットは何があるのでしょうか?
特に仕事が辛い。仕事が合わないなどの理由で退職を考えている人にとっては、1年未満での退職は不安です。転職のときに不利にならないか?周りから我慢が足りないって思われないか?
ここではそんな不安を少しでも解消できるように、新卒入社後1年以内で会社を退職してよかったことや悪かったということをまとめて解説します。
新卒1年未満で退職して後悔したこと
同期をなくした
新卒で入社すると同じ年に入社した同期がいますよね?会社を辞めて1年、2年位は時々連絡を取り合うこともありますが、少しづつ疎遠になり始めます。
気がつけば同期とのつながりが完全になくなることになりました。
会社を辞める前は毎日のように同期と会っていたので、ありがたみはわかりません。しかし辞めてみると同期の貴重さを感じることができます。
同じ年に、同じ会社に、同じ研修を受けて、同じ仕事をする。
つらいときや苦労したことを共有した仲間なので、仕事のことだけでなくプライベートなことも相談できる存在が同期です。
そんな同期が転職をするといなくなります。
もちろん転職先で知り合った気の合う仲間という存在はいますが、気軽に飲みに行ったり、相談できるような固い絆をもった仲間を作ることはかなり難しい。
転職をするとそんな貴重な同期をうしなうことになるので、会社を辞めるデメリットと言えます。
ビジネスマナーが身につけられなかった
新卒で会社に入社すると4月から6月までの3ヶ月は研修期間として社会人としてのマナーなどを学ぶ時期です。
お客様との名刺交換、電話応対の方法、ビジネスメールの送り方、言葉使いなど。実際に新卒で入社した場合、お客様とリアルに接することはほとんどありません。
入社して一年未満で会社を退職すると、ビジネスマナーを座学で学んだだけの状態です。
転職後は電話応対やメール対応などはゼロから覚えることになります。自然にできるようにあるまではかなり苦労してしまいます。
スキルらしいスキルが身につかなかった
新卒で入社すると研修期間になるので、実務はまったく行っていません。そのため、他の会社で使えそうなスキルはまったくありません。
かろうじて使えるスキルと言えば、ワードやエクセル、パワーポイントなどのオフィスのソフトくらい。「Ctrl+C」「Ctrl+V」などの簡単なショートカットキーがわずかに使えるくらい。
別にこういったスキルは転職後でも数日で身につけることができます。
同業種に転職する場合は、業務で身につけたスキルが少しでもあればアピールできるかもしれませんが、ワードやエクセルのスキルをアピールするには弱すぎます。
人脈がまったく作れなかった
研修期間中に退職することになるので、社内で面識があるのは同じ研修を受けていた同期と研修の面倒を見てくれた人事くらい。
仕事中に仲良くしてくれた先輩はいましたが、退職後には繋がりが完全になくなってしまいました。
もちろん取引先には繋がりどころか担当者の名前も知りません。
人脈というものはいっさいありません。
新卒1年未満で退職して良かったこと
新卒1年未満で退職すると悪かったことがあれば、良かったこともあります。良かったことをご消化します。
仕事の視野が広がった
仕事をやめたあとに転職活動をすることで、世の中にはいろんな働き方や仕事があることを知ることができました。会社に勤めるという以外に、趣味の音楽で生計を立てている人、小物を作ってネットで販売している人、ブログやユーチューブで収入を得ている人など、驚くべき方法で生計を立てている人がたくさんいることに気が付きました。
中途採用を行っている会社の数は、新卒採用を行っている会社よりも圧倒的に数が多いです。
リクナビ、Indeed、ネオキャリアなどの転職者向けの求人サイトには新卒専用のサイトよりもたくさんの会社情報が掲載されているし、企業規模や種類も豊富です。
創業半年の生まれたての会社や怪しい雰囲気のある会社など世の中にはいろんな会社があることを知ることができます。
実際は応募することはないかもしれませんが、新卒で入社した会社をやめて転職活動をしなければ知り得なかった情報を知ることができます。
転職先の会社で刺激的な社員と出会えた
転職すると、その会社で仲良くなるのは同じような転職組とです。全く違う業界からの転職や自分の親くらいの年の人などいろんな方がいます。
10回以上転職してきた人、起業して夢破れた人、リストラ、Uターン世の中には実にたくさんの人がいることを知ります。
年齢もバラバラですが、転職者という同じ立場で同じ仕事をするのはとても刺激的です。
他の業界、他の業種、他の職種など転職先での人との出会いは、いろんなこと学ぶことができました。
自分に向いている仕事がわかった
次の会社は長く働くために、転職活動のときにもう一度自己分析をする必要が出てきます。
一度会社で仕事をしているので、二度目に行う自己分析は大学生の時と比べて、深い自己分析ができるようになっていました。仕事とはどんなものなのか?働く意味はなんなのか?大学生のときには想像できなかったことができるようになっています。
仕事とは何なのか?
会社とはどんなものなのか?
こういったことは大学生ではわかりません。実際に働かないとわからないことなんです。
就職して1年未満ですが、朝起きて毎日満員電車に揺られながら会社に行って、上司に怒られたり、先輩に注意されたりすることで仕事とは?という問いに対して、自分なりの考えを持つようになる事ができます。
どんな仕事が嫌いで、どんな仕事が好きなのか?
どんな仕事に対してモチベーションが上がるのか?
どんな仕事が苦手なのか?
こういった「自分と仕事」というリアルについて具体的に理解ができるようになります。
3年は続けなさい!という常識が気にならなくなった
石の上にも3年!と言われるように、仕事も3年は続けなさいと言われます。3年続けることで仕事の一連の流れを理解することができるので面白みがわかってくるという理由だと思いますが、実はこの言葉の根拠はありません。
ただ、3年以内に仕事を辞めると、
忍耐力がないやつ。
責任感がないやつ。
嫌なことからすぐに逃げ出すやつ。
というレッテルを貼られてしまうことがあります。
こういった世の中の考えを恐れて、本当は辞めたいけど退職することを躊躇する人が案外多くいるものです。実際に、「3年経ったらやめよう!」といっている先輩もたくさんいました。
しかし、最大の不幸は「つまらない仕事や嫌な仕事をズルズルと続けて時間を無駄にすること」です。自分の人生を本気で考えたときに、世間体や周りの目はどうでも良くなるはずです。
「3年は続けなさい!」という根拠のない格言に振り回されて、自分の貴重な時間を無駄にすることは辞めなきゃだめなんです。
こうかんがえることで、思い切って会社をやめることができ、心の余裕も持てるようになりました。
つまらない仕事に耐えなくても良くなった
会社を一年以内でやめる何よりのメリットは、つまらない仕事や無駄な仕事に耐えなくても良くなったことです。
退職する前までは、「この仕事はなんの意味があるだろう?」と考えてしまって、毎日が憂鬱。
つまらない仕事を月曜日から金曜日まで続けていると、平日が本当に苦痛です。
それだけじゃなく、日曜日の午後からも憂鬱が始まります。
また明日からつまらない仕事が始まるのかという考えが出てきます。
実質的に楽しめるのは金曜日の夜から土曜日まで。一週間のうちの80%は憂鬱でつまらない日でした。
つまり人生の80%はつまらない。なんてことになります。
でも、つまらない仕事をさっさとやめてしまって、求めていた環境で仕事ができるようになると人生はガラッと変わりました。
もちろん転職したばかりは悩むこともありましたが、基本的には楽しい日々。
つまらない仕事をしていた時期と比べると、仕事にやりがいを感じることができるし達成感もある。日曜日の午後の憂鬱を感じることもありません。
かといって、転職すればみんながハッピーになれるとは限りませんと、転職をすることで自分の理想へベクトルが向くことは間違いないでしょう。
これは転職をする大きなメリットと言えます。
一年未満で退職して後悔するのはわずか1%、99%は満足
以上が新卒で入社した会社を1年以内で辞めて後悔したことと良かったことを紹介してきました。
後悔することもありますが、良かったことがそれ以上に大きいことがあるが事実。
つまり1年以内に転職しても満足度が高いという結果。
転職するなら早いほうがいいんです
あなたが今の会社に不満を持っているなら、早めに転職するのがベストです。
3年は我慢をしなさい!と言われるかもしれませんが、そんな言葉は無視してもいいです。
今抱えている不満が3年後に解消されるという保証は全くありません。むしろ今の不満が継続している可能性のほうが高いでしょう。
確証のないことに期待するよりも、確実に改善できる方法で軌道修正をしたほうがいいです。
人生は有限なのです!
一年未満で転職しても再就職できるのか?
転職した人が持つ最大の不安は会社を辞めたあと、ちゃんと就職できるのかということではないでしょうか?
結論を言えば、数ヶ月で会社をやめても転職は余裕です。
最近では既卒や第二新卒といって、新卒入社してから3年以内の方を積極的に採用する企業が増加しています。
ここで覚えて置かなければいけないことは、自分ひとりで転職活動をすすめることは危険だということ。
その理由は、転職活動に必要な職務経歴書の準備や、求人の探し方、ブラック企業の見分け方、面接対策など、転職活動にはいろんな準備が必要です。
転職することが初めての第二新卒組にとっての転職活動はかなり大変ということは覚えておいてください。
では、どうすれば効率的に転職活動ができるのか?
それは転職エージェントを使うこと。